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パリ、娼婦の館

随分前から気になっていた本をやっと読みました。

パリ、娼婦の館
パリ、娼婦の館
posted with amazlet at 13.01.06
鹿島 茂
角川学芸出版
売り上げランキング: 286,294

19世紀パリのメゾン・クローズを分かりやすく記した本。
年季の入った本かと思いきや「日本のメイドカフェ」なんて言葉が飛び出すw
2010年発行のようです。

娼館の内装・外装、娼婦からそのヒモ(!)まで写真資料が豊富なのも嬉しい。


娼婦といっても人身売買で売られてきたというわけではないのですね。
印象的だったのが、女の子が娼婦になる過程について。

「乱暴で極端なことを一気にやってのけてみたいという気持ちだった。人から何を言われようと平気の平左で軽蔑してかかり、むしろそんなものに挑みかかってみたい。こうした漠とした感情と怠惰とが、かくも唐突にエリザを娼婦へと変身させた理由だった。実際のところエリザには、淫猥な欲望とか、放蕩への乾きとか、官能のうずきといったようなものはまったくなかったのである」(ゴングール『娼婦エリザ』)

「終わりなき日常への嫌悪」、「「ここより他の場所」という自分探しの旅の変種」
と解説しています。そういった意味で「AVギャルの先駆者である」、とも。


そして高級店であればある程、直接的なセックスから遠ざかっていくらしい。
「恒産なくして変態なし」「衣食足りて、変態を知る」
う~ん名言だナ。
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